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不妊治療のカギは『腸活』にあり? ──子宮内フローラの疑問に答えます【後編】

今日もご訪問ありがとうございます。

不妊カウンセラーの石川珠美です。

前編では、子宮内フローラの基礎知識や、日常生活への意外な影響についてお話ししました。
後編では、「お母さんの体質が、どう赤ちゃんに受け継がれるのか」という、お話をシェアしたいと思います。

【続き】

Q6. 妊娠中の体重増加とフローラは関係ありますか?

はい、密接に関係しています。 腸内フローラと肥満には強い相関があり、太りやすい人は「体重増加を促す菌」を持っていることがわかっています。
妊娠中に体重が増えすぎると、お母さんと赤ちゃんの両方にリスクが生じます。体重過多の女性は葉酸代謝の吸収に問題が起きやすくなり、葉酸が不足すると先天性代謝異常につながる恐れがあります。太った母親から生まれた子は、巨大児になりやすく、インスリンの過剰分泌や低血糖などの代謝異常になりがちです。
また、脂肪の多い食事を続けていると、特定の善玉菌(バクテロイデス属)が減少します。 この菌は、母乳の炭水化物を分解してエネルギーを作る大切な役割を持っています。 つまり、お母さんの食生活が、産後の赤ちゃんのエネルギー吸収力にまで影響するのです。

Q7. 妊娠糖尿病とも関係がありますか?

こちらも非常に高い関わりがあります。 糖尿病は血糖値が高い状態が続く代謝の病気ですが、腸内細菌はこれを防ぐ鍵を握っています。
腸内細菌が食物繊維を発酵させると、「短鎖脂肪酸」という代謝産物を作ります。この物質が体の健康にとても良い働きをします。
インスリンを産生する細胞は、腸内の「短鎖脂肪酸」の濃度を感知できると言われています。マウスの実験では、短鎖脂肪酸を作る細胞を抑制するとマウスのインスリン産生も減り、インスリンが足りなくなることでマウスが糖尿病になるのだそうです。「短鎖脂肪酸」が、インスリンを作る細胞に働きかけ、血糖値の安定を助けてくれるのです。
「腸内細菌が喜ぶ食べ物(食物繊維)」を選ぶことは、妊娠糖尿病のリスクを減らす一つの手段になります。

Q8. 運動で腸内フローラは変わりますか?

動物実験では、運動によってフローラが変化し、記憶力が改善するというデータがあります。 人間で完全に立証されているわけではありませんが、運動は腸内の炎症レベルを下げる効果があると言われています。自発的な運動と、強制された運動では腸内の炎症レベルにちがいは出ます。 「自発的に楽しく動くこと」は、フローラにとってもプラスの影響を与えると思います。

Q9. 妊娠中に抗生物質を飲むと、子供に影響しますか?

リスクはゼロではありません。 抗生物質によって、お母さんから受け継ぐはずの微生物の多様性が減ってしまう可能性があるからです。 一部のデータでは、妊娠後期に抗生物質を飲んだお母さんの子は、将来の肥満率や喘息のリスクが高まったという報告もあります。
ただし、ここが一番大切です。 重い感染症にかかった場合など、医学的に抗生物質が必要なシーンは必ずあります。必要な時は医師の指示通りに服用し、その後にフローラを立て直していくという冷静な判断が重要です。

Q10. 帝王切開が赤ちゃんに影響すると聞きましたが……

まず強調したいのは、「帝王切開そのものが悪いわけではない」ということです。 何よりも優先されるべきは、お母さんと赤ちゃんが安全に出産をすることです。
その上で知っておいてほしいのは、赤ちゃんが最初に出会う細菌は「お母さんの産道(膣内)」の菌だということです。 帝王切開の場合、この出会いがないため、将来的にアレルギーや肥満、自閉症などのリスクとの関連が研究されています。
これに対して、最近では「膣播種(ちつはしゅ)」というケアを行うところもあります。 帝王切開での出産後、お母さんの膣液を赤ちゃんの口や肌にガーゼでぬぐうことで、経膣分娩に近い菌の状態へ近づける試みです。 まだ賛否両論ありますが、多様性を守るための一つの方法です。

なぜ「腸活」が「子宮」の環境を良くするのか?

最後に、一番多い質問にお答えします。 「腸を整えることが、なぜ子宮の環境に繋がるの?」

私もそこが疑問で、腸活を勉強してきました。
その答えが今ならわかります。それは、血液が変わるからです。 正しい腸活をすると、腸内細菌が「短鎖脂肪酸」などの有益な代謝産物をたくさん作ります。 それが腸壁から吸収され、血液に乗って全身をめぐり、子宮へと届けられるのです。

腸活とは、単に便秘を治すことでも、ヨーグルトを食べることでもありません。

  1. プロバイオティクス(有益な菌を直接補う)

  2. プレバイオティクス(菌のエサとなるものを正しく摂る)

この2本立てで、「菌を育てる」ことが本当の腸活です。

だいたい2ヶ月くらいで、腸内の菌の状態は変わります。 不妊治療をスムーズに進めるため、そして赤ちゃんの健康のために、今から「子宮内フローラ」を整える準備を、一緒に始めてみませんか?

気になることがあれば、いつでもご相談くださいね。

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